AIエージェント時代の個人開発戦略|設計の重要性
💡 この記事について AIアシスタントとの対話を元に構成した個人の学習記録です。
はじめに
私はセブ。東京で個人開発をしている。
ある日、Product Huntで「Genstore」というサービスを見つけた。AIエージェントチームがECストアを自動構築するサービス。Product Hunt #1を獲得し、$10Mのシード調達。2分でストアが完成するという触れ込み。
「これ、すごくない?」
私はAIアシスタントのスピカに聞いてみた。そこから始まった対話は、個人開発者としての本質的な問いへと深まっていった。
Genstoreの何がすごいのか
マルチエージェント・アーキテクチャ
私: ECの自動化とかGenstoreすごいね。何がすごいか解説して。
スピカ: 一言でいうと「複数の専門AIエージェントがチームとして協調動作する」ってこと。単なる「AIが手伝ってくれるツール」じゃない。「AIがチームを組んで仕事をする」という次元の話。
graph TB
subgraph "従来のAIツール"
U1[ユーザー] --> A1[単一AI]
A1 --> R1[結果]
end
subgraph "Genstoreのアプローチ"
U2[ユーザー] --> G[Genius<br/>オーケストレーター]
G --> D[Design Agent<br/>デザイン]
G --> P[Product Agent<br/>商品]
G --> L[Launch Agent<br/>公開]
G --> C[Campaign Agent<br/>マーケ]
G --> AN[Analytics Agent<br/>分析]
D & P & L & C & AN --> R2[統合された結果]
end
なるほど。単一のAIに「ECサイト作って」と言うのと、専門家チームに依頼するのでは全然違う。
エージェント一覧
| エージェント | 役割 |
|---|---|
| Genius | 👑 スーパーエージェント。他のエージェントに指示を出し、情報を集約・配分 |
| Design Agent | 🎨 レイアウト、ブランディング、アニメーション |
| Product Agent | 📦 商品リスティング、説明文、画像生成 |
| Launch Agent | 🚀 SEO、法令遵守、ドメイン設定、決済・配送設定 |
| Campaign Agent | 📣 競合分析、割引戦略、プロモーション設計 |
| Analytics Agent | 📊 日次レポート、売上・流入分析 |
オーケストレーターの仕組み
特に面白いのは「Genius」というオーケストレーターの存在だ。
sequenceDiagram
participant U as ユーザー
participant G as Genius
participant C as Campaign
participant D as Design
participant A as Analytics
participant L as Launch
U->>G: 週末にバレンタインセールやりたい
G->>G: 意図を解釈・タスク分解
par 並列実行
G->>C: セール設計を依頼
G->>D: バナー作成を依頼
end
C-->>G: セール条件完了
D-->>G: バナー完了
G->>A: 効果測定準備を依頼
A-->>G: 準備完了
G->>L: 公開処理を依頼
L-->>U: セール開始!
ポイント:
- 情報の集約と配分: Geniusが全エージェントのコンテキストを把握
- 依存関係の解決: 「デザインができてからキャンペーン公開」のような順序を自動判断
- 並列実行: 独立したタスクは同時に走らせる
「AIで作れるのか」問題
ここで私は本質的な疑問を持った。
私: これってClaude Codeに並列処理とかで作れないのかな、Antigravityとか。自分もCloud Dialect(英語学習アプリ)作っててFirestoreとの単なるDB連携でもややこしかったのに。ここらへんの違いを理解したいんだよね。
私は以前、英語学習アプリ「Cloud Dialect」を開発した。GCPのFirestoreと連携するだけでも、かなりの時間を取られた経験がある。
スピカ: 変な質問じゃない。むしろ本質的な問いだよ。
⚠️ 注釈: もちろん、Claude Codeで設計からがっちり組んで、複雑なシステムを構築している人たちもいる。AIを使いこなして勝ち筋を見つけている開発者は確実に存在する。以下はあくまで「私の現時点でのレベル」での話であり、AIの限界というより「私がまだ使いこなせていない部分」かもしれない。それを踏まえて読んでほしい。
結論
技術的には作れる。でも「作る」と「正しく動かす」は別次元の話。
graph LR
subgraph "AIができること"
A1[コードを書く]
A2[APIを叩く]
A3[ファイルを生成]
A4[並列タスク実行]
end
subgraph "AIが難しいこと"
B1[設計判断]
B2[エッジケース処理]
B3[状態管理]
B4[本番で壊れない設計]
end
A1 -.->|人間の判断が必要| B1
A2 -.->|経験が必要| B2
Cloud Dialect × Firestoreで大変だった理由
私がFirestore連携で経験した「ややこしさ」、これ実はAIが苦手な領域の塊だったのか。
mindmap
root((Firestore連携の難しさ))
認証フロー
OAuth vs サービスアカウント
トークン更新処理
エラー時のリトライ
データモデル設計
ドキュメント vs コレクション
ネスト vs フラット
複合インデックス
セキュリティルール
読み書き権限
ルールのテスト
エッジケース
オフライン対応
同時書き込み競合
クォータ超過
AIは「動くコード」を書ける。でも「正しい設計判断」は人間の仕事。
これが腑に落ちた。Antigravityに「Firestoreと連携して」と言っても、**「どういう設計で?」**という判断は私がしないといけなかった。だから時間がかかったのだ。
Genstoreとの決定的な違い
graph TB
subgraph "Genstore = 製品"
G1[ECに特化]
G2[何年もかけて設計・テスト]
G3[人間が設計したアーキテクチャ]
G4[本番で鍛えられた]
G5[10M調達 = 専門チーム]
end
subgraph "Claude Code = ツール"
C1[汎用]
C2[設計判断は人間]
C3[簡単なものは速い]
C4[複雑なものは人間が設計]
end
Genstoreは「製品」で、Claude Codeは「ツール」。
Genstoreの中のエージェント連携は、専門のエンジニアチームが何年もかけて設計したもの。私がClaude Codeで「2分で同じものを作る」のは無理だ。
でも「Claude Codeを使いながら、設計判断を自分でして、1ヶ月かけて作る」なら可能。
マルチエージェントの「本当の難しさ」
flowchart TD
subgraph "設計課題"
A[通信プロトコル] --> A1[情報の渡し方]
A --> A2[タイミング]
B[状態管理] --> B1[誰が何を知ってるか]
B --> B2[矛盾の解決]
C[依存関係] --> C1[実行順序の判断]
C --> C2[並列可否の判断]
D[エラーリカバリ] --> D1[ロールバック]
D --> D2[リトライ]
E[競合状態] --> E1[同時更新の処理]
end
A & B & C & D & E --> F[これはコードの問題ではない]
F --> G[アーキテクチャ設計の問題]
個人開発者の「今ぶつかってる壁」
ここで私は気づいた。
私: 今個人開発も人ぶつかってるところじゃない?逆にいうと差がつくところというか。AIがここどう追いついてくるか…
現状の整理
| 領域 | 複雑さ | 判断の必要性 | 現状 |
|---|---|---|---|
| コード生成 | 低 | 低 | ✅ AIが得意 |
| 単機能実装 | 低〜中 | 低 | ✅ AIが得意 |
| エッジケース処理 | 中 | 高 | ⚠️ 経験者の強み |
| 設計判断 | 高 | 高 | 🔴 人間の領域 |
| 複数システム連携 | 高 | 高 | 🔴 人間の領域 |
graph LR
subgraph "AIが得意"
A1[コード生成]
A2[単機能実装]
end
subgraph "経験者の強み"
B1[エッジケース処理]
end
subgraph "人間の領域"
C1[設計判断]
C2[複数システム連携]
end
A1 --> B1
A2 --> B1
B1 --> C1
B1 --> C2
今、個人開発者がぶつかってる壁 = AIがまだ苦手な領域
だからこそ、ここを乗り越えた人に差がつく。
AIはここにどう追いついてくるか
| 年 | マイルストーン |
|---|---|
| 2024 | AIがコードを書ける(Copilot, Claude Code) |
| 2025 | AIがタスクを実行できる(エージェント元年) |
| 2026 | ドメイン特化製品の台頭(Genstore等) |
| 2027-2028 | AIの設計判断能力向上(複雑なシステムも自律設計) |
2つのルート:
graph TD
A[現在] --> B{進化のルート}
B --> C[ルート1: ドメイン特化製品]
C --> C1[ECならGenstore]
C --> C2[領域ごとに専門製品]
C --> C3[人間が設計を埋め込んだパッケージ]
B --> D[ルート2: 汎用AIの進化]
D --> D1[AIが設計判断を理解]
D --> D2[エージェンティックコーディング]
D --> D3[まだ1-2年はかかる]
個人開発者の戦略
graph LR
subgraph "今やるべきこと"
A[設計判断の経験を積む]
B[ドメイン特化の強みを作る]
C[手を動かし続ける]
end
subgraph "将来の優位性"
D[AIを使いこなす力]
E[正しい判断の土台]
F[ニッチでの深い理解]
end
A --> D
B --> F
C --> E
まとめ:経験は武器になる
この対話を通じて、私が日々感じていた「なんでこんなに時間かかるんだ…」という焦りの正体がわかった。
スピカ: その「なんでこんなに時間かかるんだ…」って感覚。でもそれ、正しい道を歩いてる証拠だよ。
「動くもの」を作るのは速い 「壊れないもの」を作るのに時間がかかる
やきもきする時間 = 設計力が鍛えられてる時間
graph TD A[Firestore連携で苦労] --> B[何がハマりポイントか知る] B --> C[次は速くなる] C --> D[AIをうまく使える] D --> E[競争優位] F[経験ゼロでAI使用] --> G[何が正しいかわからない] G --> H[間違いに気づけない] H --> I[動くけど壊れやすい]
結論
今ぶつかってる壁 = 今だからこそ差がつくところ AIが追いついてきたとき = 経験者が圧倒的に有利になる
Cloud DialectでFirestore連携に苦労した経験、そのまま競争優位になる。
今は辛いけど、ここを超えた人が勝つフェーズ。
AIが追いついてくる頃には、私は「AIをうまく使える人」になっているはずだ。
この記事は2026年2月4日、AIアシスタント「スピカ」との対話を元に構成しました